会社法第126条(株主に対する通知等)
- 株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
- 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
- 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が株主に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。この場合においては、その者を株主とみなして、前二項の規定を適用する。
- 前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が株式の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。
- 前各項の規定は、第299条第1項(第325条において準用する場合を含む。)の通知に際して株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。この場合において、第2項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。
株主への通知は、株主名簿に記載された住所へ宛てれば大丈夫です。
宛先不在で到達しなくても、「通常到達すべきであった時」が経過すれば到達したものとみなされます。
株式が共有の場合は、共有者のいずれかの住所を宛先と決めて、会社に通知しなければなりませんが、この通知が無い場合は、会社は、共有者のいずれかの宛先に通知すれば足ります。
5項は株主総会の召集通知に関して、書面の交付や電子メール等での通知に関しても適用される事を規定しています。
株主の所在が不明の場合、いつまでも通知を送り続けるのも不経済です。
それを解決するのが会社法第196条です。
会社法第196条(株主に対する通知の省略)
- 株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、株式会社は、当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。
- 前項の場合には、同項の株主に対する株式会社の義務の履行を行う場所は、株式会社の住所地とする。
- 前二項の規定は、登録株式質権者について準用する。
株主が5年間不在の場合は、もう通知をしなくてもよくなります。
2項の「義務の履行を行う場所は、株式会社の住所地とする」とは、例えば、株主に対する配当金を受け渡す場所は会社になるという様なことです。こうする事で、不在株主が会社に現れない限り不在株主に対する義務の不履行にはなりません。
それでも株主が現れない場合に、不在株主の管理をするのも負担になります。
そういった場合には不在株主の株式を競売にかけることが出来ます。(会社法第197条)