基準日制度

会社法第124条(基準日)

  1. 株式会社は、一定の日(以下この章において「基準日」という。)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(以下この条において「基準日株主」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。
  2. 基準日を定める場合には、株式会社は、基準日株主が行使することができる権利基準日から三箇月以内に行使するものに限る。の内容を定めなければならない。
  3. 株式会社は、基準日を定めたときは、当該基準日の二週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を公告しなければならない。ただし、定款に当該基準日及び当該事項について定めがあるときは、この限りでない。
  4. 基準日株主が行使することができる権利が株主総会又は種類株主総会における議決権である場合には、株式会社は、当該基準日後に株式を取得した者の全部又は一部を当該権利を行使することができる者と定めることができる。ただし、当該株式の基準日株主の権利を害することができない。
  5. 第1項から第3項までの規定は、第149条第1項に規定する登録株式質権者について準用する。

まずは基準日を設ける権利の内容を決めます。(2項)

例えば、2月28日を配当金の受領日とします。これに対する基準日を設けるには、2月28日から遡って3ヶ月以内に設定しなければなりません(1項)

図の例では、1月30日の基準日に株主であったAに対して配当金を支払えばよく、配当金を支払うべき2月28日に株主であるBには支払わなくてもよいということになります。

基準日を定めたときは、その基準日の2週間前までに公告をしなければなりませんが、定款で別の定めを置いている場合はそちらに従います(3項)

 

4項はちょっとややこしいです。

まず、基準日株主が行使できる権利は「株主総会(種類株主総会)の議決権」です。

上の図を用いて説明すると、
1月30日から2月28日までの間に株主になった者に議決権を与えてもよいと言っています。これは新規株式募集などで新たに株主となった場合に、議決権を与えることができるということを意味します。

条文には株式の取得の仕方について規定を設けていないのですが、「基準日株主の権利を害することができない。」という但し書きの縛りがあることから、この様な解釈になるようです。

この様に考えると基準日株主が権利を行使し得ない場合、例えば相続による承継取得の場合も4項の適用がありそうです。

 

5項の「登録株式質権者」については簡単に説明しておきます。

通常の質権なら、権利に物上代位して、債務者に払い渡す前に差し押さえという流れがありますが、株主名簿に質権者として登録してあれば、配当金は質権者に支払われるようになっています。そのような質権者の権利も基準日制度の適用を受けるということです。