取締役の終任

一口に取締役の終任と言っても、取締役の終任事由には、任期満了、辞任、解任、または取締役の死亡、破産などがあります。

取締役と会社の関係は、民法の委任の規定に従うため、その規定に従えば、取締役はいつでも自ら辞任することができます。
また、会社法では、以下のような終任事由があります。

 

株主総会決議による解任

会社法第339条(解任)

  1. 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。
  2. 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。

また株主総会側からは、取締役をいつでも株主総会の普通決議で解任することが出来ます。
解任の決議に理由は不要ですが、正当な理由なしに解任された場合、取締役は損害賠償を請求することが出来ます。

損害賠償の額は任期の残存期間で得られたはずであろう報酬の額という考え方があります。
そうすると、取締役の任期は非公開会社では最長10年まで伸ばすことができますが、取締役と会社によほどの関係性がなければ、長く設定するもの考え物ですね。

 

少数株主による解任の訴え

会社法854条1項抜粋(※下線部は編集しています)

役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第323条の規定によりその効力を生じないときは、少数株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。

前述の株主総会による取締役の解任決議案が否決された場合、少数株主は解任の訴えを提起することが出来ます。

訴えを起こすには、取締役の職務の執行に関し不正の行為や法令・定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、解任決議案が否決されることが必要です。
少数株主ならいつでも解任の訴えを起こせるわけではないことに注意してください。

 

取締役の欠員

取締役会設置会社では、取締役が3人以上いることが会社法で定められています。取締役がギリギリ3人いて、1人欠員が出たらどうなるでしょうか?このままでは法律違反の状態になってしまいます。
そこで、取締役が任期満了または辞任での欠員の場合、元取締役は、次の取締役が就任するまで引き続き取締役としての権利義務を有します。

 

しかし、不正などの理由があって解任されたときなどは、そのまま取締役としての権利義務を保持させるのに適しない場合があります。
その場合は、裁判所の判断で、利害関係人の申立てにより一時取締役を選任することが出来ます。

裁判所が必要と認めるには「引き続き取締役としての権利義務を有する」元取締役が、取締役の職務を全うできない場合や、解任での欠員である場合が考えられます。

任期満了、辞任での欠員 解任での欠員
引き続き取締役としての権利義務を有する 取締役としての権利義務はない