前回の続きで、今回第299条から第302条について書いていきたいと思います。

会社法第299条

会社法第299条(株主総会の招集の通知)

  1. 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第1項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。
  2. 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。

一  前条第1項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合
二  株式会社が取締役会設置会社である場合

  1. 取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
  2. 前二項の通知には、前条第1項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

前条(第298条)第1項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたとき」は何度も出てくるので、「株主総会に出席しない株主に、書面やメール等で議決権を行使できるようにしたとき」と読み替えれば理解しやすいと思います。

1項 株主総会開催通知の時期

  • 非取締役会設置会社(非公開会社)→ 株主総会の1週間前までに(定款でそれ以下にすることも可能)
  • 取締役会設置会社 (非公開会社)→ 株主総会の1週間前までに通知(※)
  • 取締役会設置会社(公開会社)  → 株主総会の2週間前までに通知

※第298条第1項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときは非公開会社であっても2週間前までに通知しなければなりません。
ちなみに、会社法上、非取締役会設置会社で公開会社という設計はありません。これは後の回で説明したいと思います。

2項 通知の方式

以下の場合は書面で通知しなければなりません。

つまり口頭で通知OKなのは、非取締役会設置会社のみとなります。

 

株主の承諾を得れば、書面に替えてメール等での通知をしてもOKです。(3項)
通知には会社法298条1項各号の内容を記載しなければなりません(4項)

取締役会設置会社の場合は、通知の方式が結構カッチリ決まっていますが、家族経営のような小規模会社の場合は、「なあなあ」でもOKにしています。

 

会社法第300条

会社法第300条(招集手続の省略)

前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第298条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。

取締役会設置会社だろうと、公開会社だろうと、株主全員の同意がある場合は、厳格な招集手続きを免れます。

現実的には、大規模な会社で株主全員の同意を得ることは難しいので、株主が数人の小規模会社を想定したものと考えられます。

関連判例
一 招集手続を欠くのに株主全員が株主総会の開催に同意して出席したいわゆる全員出席総会においてされた決議は、総会の決議として有効に成立する。
二 株主の代理人の出席を含むいわゆる全員出席総会における決議は、当該株主が会議の目的たる事項を了知したうえで委任をし、かつ、決議の内容が右事項の範囲内のものである場合には、総会の決議として有効に成立する。

(最判昭和60年12月20日)

株主総会に出席しない株主に、書面やメール等で議決権を行使できるようにした場合は、議決権を行使するための参考資料(株主総会参考書類)や議決権を行使するための書面等を、招集の通知と共に提供しなければなりません。(会社法301条、302条)

ですから、書面やメール等で議決権を行使できるようにした場合(会社法第298条第一項第三号又は第四号に掲げる事項のことです)は、口頭での開催通知はできませんし、招集手続きの省略はできないのです。

さらに、株主総会の議題に対する提案について、株主全員が書面等で同意した場合は、株主総会自体を開催する必要はありません。

会社法第319条