定款の記載事項

定款には以下の記載事項があります。

  • 絶対的記載事項
  • 相対的記載事項
  • 任意的記載事項

 

絶対的記載事項

絶対的記載事項とは会社法第27条と会社法第37条1項に記載があります。
それでは下記の条文を参照ください。

会社法第27条(定款の記載又は記録事項)
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

一  目的
二  商号
三  本店の所在地
四  設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五  発起人の氏名又は名称及び住所

会社法第37条第1項(発行可能株式総数の定め等)

発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時まで、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。

以上のように絶対的記載事項とは

会社法第27条の会社の目的商号本店所在地出資される財産の価額またはその最低額発起人の氏名又は名称及び住所と会社法第37条の発行可能株式総数の記載を指します。

  • 会社の目的は、前回の記事でも紹介したように会社の権利義務の範囲を定めるために必要なことです。
  • 商号は会社の名称で、会社には一つだけの商号が認められます。商人が営業毎の商号が認められる点との違いに注意してください。
  • 会社の本店所在地は、訴えの管轄地となります。会社が被告になる場合、その訴えは本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄になります。
  • 4号は設立の際、出資される財産の価額を例えば「1000万円」と確定させたり、「700万円以上」と最低額を定める事です。この額が集まらないと会社は成立しません。
  • 発行可能株式総数とは、会社が発行できる株式の総数です。

注意すべき点は、

会社法第27条の5項目→公証人の定款認証時に必ず記載が必要
会社法第37条の発行可能株式総数→会社の成立時までに定款に定めることができる。

以上のように異なっている事です。

これらの絶対的記載事項の記載を欠くと定款が無効となってしまいます。

ところで、会社法第27条1条5項に「発起人の氏名又は名称及び住所」と書かれていますね。
勘のいい方は気付くと思いますが、自然人だけではなく、法人も発起人になることができます。

 

次に、相対的記載事項と任意的記載事項について。
これらは会社法第29条に規定されています。

会社法第29条
第27条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。

マーカーの前段が相対的記載事項、後段が任意的記載事項について規定しています。

相対的記載事項

相対的記載事項とは、法律の規定に「~定款に別段の定めがある場合を除き~」や「~をするには定款の記載が必要~」と書かれている部分を決める場合に必要な記載です。

定款で記載しておかないと、その事項についての行為は無効となります。(行為が無効となるのであって、定款自体が無効となるわけではない点に注意してください。)

具体的な例では、「株券を発行する旨の規定」「株式の譲渡を制限する旨の規定」などが挙げられます。

※この会社法第29条だけではなく、第28条も相対的記載事項に含むのですが、会社法第28条(変態設立事項)は重要ですので、次回へ持ち越します。

任意的記載事項

任意的記載事項は、法律に反しない限り記載の出来る事項です。

具体的な例では、「取締役の人数」「定時株主総会の招集時期」「決算期」などが挙げられます。
定款に記載しなくても、定款外の契約で決めることも出来る内容ですが、定款変更の手続きを考慮し、あえて定款に記載するという意味合いで捉えると良いと思います。中には決意表明を記載する会社もあるようですね。

ちょっと駆け足気味でしたが今回はここまでです。次回は会社法第28条「変態設立事項」について。