今回は指名委員会等設置会社について説明していきます。

指名委員会等設置会社という名称は以前の委員会設置会社という名称を平成26年会社法改正で改められたものです。
ですから「指名委員会等設置会社」=「(旧)委員会設置会社」と捉えてください。

指名委員会等設置会社で特徴的なのは3委員会と執行役です。

指名委員会等設置会社は、日本に約65社(2015年)しかありませんので、なじみがない分わかりにくい制度です。
無機的に暗記で済ませると混乱してしまいますので、要点を抑えて説明していきます。

3委員会

指名委員会等設置会社では、「指名委員会」「報酬委員会」「監査委員会」の3委員会が設置されます。
各委員会の委員は、取締役の中から選出され、委員3名以上で構成されます。

各委員会の委員の過半数は社外取締役でなければなりません。

例えば委員会が3名なら、2人以上。委員会が4名なら3人以上が社外取締役でなければなりません。(監査役会の社外監査役が「半数以上」であったのと間違いやすいの注意してください。)

上の図は、各委員会を兼任している取締役がいないという前提で描いていますが、取締役9人中6人が社外取締役ということになります。
このように委員会設置会社は外部からの監督が強くなる傾向の形態となっていることがわかります。

各委員会の委員となる取締役は他の委員会の委員も兼ねることができます。
適切かどうかは別として社外取締役がすべての委員会の委員を兼任すれば、社外取締役が2人いれば指名委員会等設置会社の要件を満たします。

各委員会の権限

指名委員会

指名委員会の権限は、株主総会に提出する取締役の選任や解任に関する議案の内容を決定することです。

報酬委員

報酬委員会の権限は、取締役や会計参与、執行役などの個人別の報酬等の内容を決定することです。

監査委員会

監査委員会の権限は、取締役・執行役の職務執行の監査を始め、指名委員会等設置会社ではない監査役や監査役会が持つ権限も持っています。
監査役の監査の範囲は適法性監査のみでしたが、監査委員会の監査は、適法性だけではなく、妥当性にも及びます。
これは、監査委員会のメンバーが取締役から選ばれるので、経営の妥当性も監査し得るということの表れです。

 

執行役

執行役は取締役会によって選任され、取締役会によって委任を受けた業務執行の決定と、業務の執行を行います。

指名委員会等設置会社では業務の執行を執行役が行い、取締役は原則的に業務の執行をすることが出来ません。
取締役会は意思の決定、業務執行の監督に専念します。意思の決定と執行が分離された形が指名委員会等設置会社の特徴でもあります。

一度、非指名委員会等設置会社の取締役の役割を振り返ると良いと思います。

非取締役会設置会社、取締役会設置会社、委員会設置会社を以下のようにまとめてみました。

非取締役会設置会社 取締役会設置会社 指名委員会等設置会社
業務執行への監督 各取締役 取締役会 取締役会
業務執行の決定 取締役の過半数で決定 取締役会 取締役会
執行権限 各取締役 代表取締役
業務執行取締役
執行役
代表権 各取締役 代表取締役 代表執行役

意思の決定と執行が分離された形と書きましたが、取締役は執行役と兼任することが出来ます。ただし、執行役となった取締役は監査委員会のメンバーになれません。これは業務執行を担う執行役兼取締役に自己監査をさせないという趣旨です。

執行役は取締役会により選任されますが、解任も取締役会の決議によって行われます。
執行役が株主総会によって解任されない点は、取締役との大きな違いです。

指名委員会等設置会社の例

各会社のホームページへのリンクです。参考にご覧ください。

イオン株式会社

オリックス株式会社

株式会社ノジマ

株式会社東芝